コンピュータとビット数

一本のアドレスと一本のデータ線を持つCPUを考えてみましょう。これは、1ビットのコンピュータと言うことができます。一本の線で表現できる値は、0と1です。これは電圧が0ボルトと5ボルトであらわします。

つまり、アドレスが0と1、の2番地だけ、データは、0と1だけを保持できるCPUというわけです。
値(電圧)
番地
0
0番地
1
1番地

続いて線をそれぞれ倍にしてみましょう。すると、アドレスは、
アドレス 1
アドレス 0
番地
0
0
0番地
0
1
1番地
1
0
2番地
1
1
3番地

と4こになります。同じく表現できるデータの値も4種類です。線が2倍になったら番地と表現できるデータの値が2倍になった。
線の数と表現できる値(アドレス)の関係は 2の(線の数)乗になります。

数年前までのパソコンは16ビットでした。数えられるアドレスの数も6万4千くらい。64Kバイトです。
これではワープロや表計算などは荷が重過ぎて実用には無理がありました。

現在の皆さんが使っているパソコンは32ビットです。32ビットというと、約53億まで数えることができます。
これだけのアドレス空間があればかなり大きなプログラムでも読み込んで 実行することができるでしょう。
もちろんこれは理論上の話で、実際にマシンにRAMが十分無ければそうはいえませんが。

振り返ってゲーム機を見ると64ビットと書いてあります。
これは53億×53億という、途方もない数を数えられる事を意味するわけです。
「なゆた」とか、「あそうぎ」とか、ウィンドウズの漢字変換(WINAPI)では変換もできないような桁数です。
パソコンにおいてはそんな数を数えることに意味があるとはおもえませんが、グラフィックの分野では大いに意味があります。
3Dの表示には短い時間に数多くの演算処理をしなければなりませんか、それにはビット数が多い方が有利なのです。
汎用のCPUではなく、グラフィックボードに乗っているグラフィック専用CPU(これは通常グラフィックチップと呼ばれる)は今や128ビットです。
10進数で表現すると、0の数を数えるのもいやになる数です。

ビット数とはこのようにパソコンと関係しています。